フェアリータウン

こんにちは。ココはセーラームーンのまもうさ、伯爵と妖精の二次創作、コバルト系ラノベ、漫画、アニメ(特にコードギアス)の感想語りメインです

 
 
★未来のこと★
 

高岡未来

Author:高岡未来
こんにちは。高岡未来です。
あ、ちなみにみくじゃないです。みらいと読みます。
好きなもの:漫画・ライトノベル・アニメ・ファッション・旅行
好きな作品:セラムン・伯爵と妖精・コードギアス・学園アリス・種村さん作         品・文学少女・風の王国などなど色々
使ってる画材:カラーインク・アクリルガッシュ・パステル・色鉛筆
今年の野望:ドイツのクリスマスマーケットに行くこと

ブログについての説明とリンクについてはカテゴリの「はじめに」をお読みください。
バナーもやっとつくりました。
まだ一種類ですがそのうち増やしていきます

 
 
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egg
 

 
 
2008年05月11日

君という宝物

 

くるくるとめまぐるしく変わる君の表情に僕もつい顔をほころばせてしまう。
嬉しそうに世界を見つめて、鈴を転がしたような美しい声で歌う。
気がつくと僕はきみを追いかけて、つかまえている。
目を離すときみはどこまでも行ってしまいそうで、時々僕は不安になるから。
「エリック。ねぇ見て!」
「えっ・・・?ああ」
考え事は彼女の声でかき消された。
街へ散策へでるとアリエルは見るもの全てがめずらしいのかくるくるとよく動き回る。
無理もなかった。
彼女は元人魚で、海の世界にはなかったものがこちら側地上にはたくさんある。
彼女には全てが珍しいらしい。
最初にアリエルと出かけたときも彼女の行動に驚かされっぱなしだった。今ではそこまでの奇行をすることはなくなったけれども、それでも彼女のはしゃっぎっぷりは子供のそれのようにめまぐるしかった。
「ほらとってもきれい!」
そういってある店の前に駆け寄っていった。
少しだけ遅れて僕が到着するとアリエルは手招きをした。
「これはなぁに?」
「ああ。これは万華鏡だね。筒の中を見せれもらおう」
「筒?飾りじゃないの?このままでもとってもきれいだわ」
じぃっと見つめるアリエルは感心したようにつぶやいた。見事な細工の万華鏡はそれだけでも装飾品として見劣りはしない、秀逸な出来のものだった。
店の中に入って店主にいくつか商品を持ってきてもらった。
不思議そうに成り行きを見守っていたアリエルに万華鏡を手渡して、ここを覗いてごらんと小さな穴を指し示す。
「うわぁ・・・・。すごいわ!とっても綺麗っ」
満面の笑みをうかべ興奮しきったアリエルは何度もすごいすごいを繰り返す。
「ほら、こうやって・・」
アリエルの手に添えて僕は万華鏡を少しずつくるくると回し始めた。
「模様が代わったわ」
感心しきってその後もアリエルはいくつもの万華鏡を飽きずに試して回った。
小さなものから大きなものまでどれもこれも不思議な、彼女の中では大きな発見のように。
僕は彼女に手ごろなサイズのものを買ってあげてその店を後にした。
「ありがとうエリック。大切にするわ」
「喜んでもらえてうれしいよ」
「ええ。人間の世界には本当に色々なものがあるのね。海の世界では考えられないものがたくさん。昔から色んなものを集めていたのよ」
万華鏡を握り締めながらアリエルは楽しそうに話し始めた。
「どこから見つけてくるんだい?」
「難破船よ。よくフランダーと一緒に潜り込んでね」
「へぇ・・・難・・・」
「サメの棲家でもあるから見つからないように慎重にね。追いかけられて大変な目にあったりもしたっけ」
あのときは大変だったなぁとアリエルは呑気に続けるが僕は話を聞いて怖気だってしまった。
サメの棲家に平気で入っていくとは、アリエルは昔から元気一杯だったらしい。
きっと戦々恐々としていた人たちもいたに違いない。
けれども、こういうときに感じてしまう。
横にいるアリエルはとても懐かしそうにおだやかな表情で昔を語っている。
だからこそ僕は色々と考えてしまう。
彼女を海から奪ってきて、地上に連れ去ってきて彼女は後悔していないのだろうかと。
少しだけ不安になってしまう。
離す気はさらさら無かった。
けれども少しでも寂しいと感じているなら―海を懐かしんでいるならと。
考えずにはいられない。
急に押し黙ってしまった僕に気がついたのかアリエルが上を見上げた。
「どうしたの?」
「いや・・・。なんでもないよ」
「元気なさそうだけど・・・疲れちゃった?」
そういってアリエルは僕の手をぎゅっと握り締めた。
その手がとても暖かく愛しくて僕は離せそうも無かった。
「アリエル・・・・」
僕はアリエルの手を握り返した。
まっすぐに僕を見上げるアリエルの目線と僕のそれとが交じりあった。
もう片方の手が彼女の頬に触れそうになった。
その時。
ふいに賑やかなメロディが僕たちの間に割り込むように流れ込んできた。
「あらっ、見て!エリック」
刹那、彼女の興味は次のものに移ってしまったらしい。音楽のする方向へ首をかしげる。
なじみの広場では男女が華やかに踊っていた。
「懐かしい!私たちも踊ったわね」
ほらっ、初めて街に来たときとアリエルは興奮も冷めあがらぬ様子で手を叩いた。
勿論覚えている。
知り合ったばかりでだけど彼女から何故だか目が離せなくって、あのときも物珍しがったアリエルが僕を引っ張っていって一緒に踊ったんだ。
アリエルの太陽のような笑顔が眩しくて久しぶりに楽しいと感じた瞬間だった。
「わたしあなたとはじめて踊ったときのこと昨日のように覚えているわ。とても嬉しかったしドキドキしたの」
私たちも行きましょうとアリエルは僕の腕をとって勢い良く走り出す。
つられる格好で僕も駆け出した。
「ねぇアリエル」
「なぁに?」
「今幸せ?」
ふいな僕の質問に一瞬アリエルは面食らった表情をした。
突然幸せかと問われればだれだって吃驚してしまうだろう。それでも聞かずにはいられなかった。
海から引き離してしまったから。
僕の真剣な表情に気がついたのかアリエルはにっこりと微笑んだ。
「ええ幸せよ。大好きなあなたといられてとっても幸せ。毎日楽しいわ」
たまに海を切なそうに見つめて、こっそりと足を水に浸けているアリエルを知っている。
僕は宝物を手に入れてしまったから、それを再び海へ返すことは出来ないだろう。
どうしても繋ぎとめておきたい。
アリエルには内緒の僕だけのこの想い。
「変なの、急に」
「そうだね。僕は離さないから」
「ん?」
「いや。こっちの話」
離さない。ようやく手に入れた僕の宝物。
僕は彼女の手を握り返して一緒に広場を目指した。



あとがき☆★
やってしまいました。
ホント私の趣味丸出しです。
ディズニー映画リトルマーメイドより二次作品。
エリック王子主体で一応、その後・・・
独占欲まるだしですねーーーー
そんな描写がやばいっ!好き!!ってことでこんなものを・・・・
実際問題未来は現実自分の彼氏がこんな独占欲丸出しだったら引きますが・・・・
まぁ物語だし。二次作品だし!こういうのはOKってことで
リトルマーメイドは大好きですっ
子供の頃から何回観たことか。台詞軽く暗唱できちゃうくらいには観ました
歌ありラブありサイコーです


 
 
 

ああ、またやっちゃった。

今日何度目かになるため息を思い切りついた。
クラスの女の子たちはみんな可愛くって、好きな子へのアピりかたも上手で、そんな嬌声がとっても羨ましい。
だって、私はというといつも強がっちゃって。
なにも可愛くなんていえないから。
さっきだって・・・・。
「琴吹さん、重そうだね。手伝おうか?」
廊下ですれ違った井上は私の持っていた大荷物を見て話し掛けてきた。
ちょうど週番で、先生に次の授業の資料よろしくと言われた休み時間。
正直重くって、そんな時井上が現れたから私はとってもびっくりした。
「いいよっ!重くないもん。ヘーキだよ」
あああ。
口から出たのはありがとうでも可愛いらしい笑みでもなくって正反対の言葉。
けれども一度出たものは止まらない。
「だけど一人で運ぶより二人で運んだほうが早いと思うよ」
「だからって別に井上に頼んでない。もうどいてよ!」
最後はなんだか悲しくなって勢い良く飛び出してしまった。
実際大荷物を抱えていたから少しよろけてしまったけど。
ねぇ、どうやったらもう少し可愛くなれる?
井上の前にでると私が私じゃないみたいになっちゃう。
だけど、次こそはもう少し素直になるから。
だからお願い。
また笑いかけて。
仮面つけた笑みじゃなくってあのときみた、井上の本当の微笑を私に頂戴。
ね。



あとがき。
かなり即興ですが文学少女シリーズより。
ななせちゃんビバツンデレということで
可愛いよね
作者の野村さんは可愛い女の子を書く天才だと思います。
そんな雰囲気を少しは出せたらと願いつつ・・・・

 
 
 

「心葉君花火をしましょう」
遠子先輩の行動に幾分慣れたとはいえ秋もそろそろ深まろうかという今日この頃に花火はないだろう。
いまだに彼女の考えていることについていけないことがある。
「先輩今何月か分かっているんですか?10月ですよ」
「まだ1日じゃないの。そんなの9月と一緒だわ」
ぷぅっと頬を膨らませへりくつをこねてくる。
「大体なんで花火なんですか。芋掘りに行くとか言うならまだわかりますけど。花火は普通夏にやるものです」
「だって今年の夏はいきなり麻貴に拉致されちゃって出来なかったんだもの。心葉君と一緒にやろうとおもって特大サイズの花火セットを用意していたのに」
無駄になってもいいの??とまくしたててくる。
きっと今のいままでその存在なんか忘れていたくせに。
どうせ週末掃除でもして見つけたに違いない。
だったら来年の夏くらいまで見つからなければよかったのにとつい思ってしまう。
そんな僕の心中が顔に出ていたのか遠子先輩の剣幕はさらに激しさを増していってついにはいつもの「これは先輩命令よ!心葉君。今日の夜7時に学校に集合よっ」というありがたくもなんともない言葉を引き出したのだった。


まったく文学少女たる先輩は何をしでかすかわからない。
放っておいてもいいのだがそれはそれで次に顔を合わしたときがめんどくさい。
どうせ廊下で待ち伏せなんかして「心葉君ひどいわっ」と切々と訴え続けるに違いないのだ。
一度家に帰って当り障りのない理由を適当につけて家を出て学校に向かう僕は大きなため息をついた。
なんだってこんな夜に先輩に振り回されなきゃいけないんだ。
人通りもまばらな通学路。
ところどころ明かりが灯っている学校が見えてきた。
きっと部活やらで残っている生徒や教師がまだいるのだろう、そんなところで花火なんかやれば絶対に見つかるのにどうして先輩はわざわざ学校を指定してきたんだろう。
約束の場所につくと遠子先輩はバケツと花火をを両手に持ちにこりと仁王立ちをして待っていた。
「時間通りよ心葉君。えらい」
上機嫌な遠子先輩は頬が緩みっぱなしだ。
妹だってここまで盛大な張り切り笑顔は見せないだろう。
「遠子先輩っ!お待たせしました」
てっきり僕たちだけかと思っていたら荷物を持った琴吹さんが少し息を切らして走ってきた。
手にもっているのは花火の袋だろうか、色鮮やかな花火がパッケージの隙間から顔をのぞかせていた。
というか一体どれだけの量を用意していたのだろう。
それを琴吹さんに手伝わせるなんてまったく先輩は。
だったらおとなしく僕が手伝いに行ったのに。
前に張り込みをすっぽかしたことをまだ根に持っているのだろうか。
「琴吹さんもきてたんだ」
「そ、そうよ、悪い??」
「いや、そんなことないよ。だけど家の人とかは平気だったの。夜だしその・・・」
「そこは大丈夫よ。私がきちんとご家族の方に説明をしたから」
えへんと胸をはって遠子先輩が前に出る。
いや、そっちのほうがいろんな意味で心配なんだけど。
だってほら色々前科があるし。
「本当に大丈夫?」
こそりと琴吹さんに確認をすると琴吹さんはさっと僕から距離をとる。
暗がりでよく見えなかったけれどもその顔は少しだけ赤かったような。
「井上に心配されなくてもうちは平気よっ!!」
結局はまた怒らせてしまったらしい。
キッと睨みつけられる。
「さあさ、始めるわよ。ほら蝋燭を立てるから手伝って」
嬉々とした遠子先輩が花火セットの中から蝋燭を、そして自分の荷物の中から空になった缶を取り出す。
ご丁寧に蝋燭を刺す芯まで刺さってある。
受験生のくせにどこまで暇人なんだ、てゆーかこんなことしていていいものなのか。
遠子先輩の用意した花火は本当に家族用の手持ちの花火がたくさんつまったごく普通のものだった。
高校生が好きそうな派手目なものは一切入っていない。
なんだかなと思いながら僕は花火セットの中の花火をばらしていく。
そんな僕の労働の横で遠子先輩は花火を手に取り素早くそれに火を点ける。
「ほらほらっななせちゃんも早く早く」
ふふふと微笑みながら琴吹さんに花火を手渡す。
花火を受け取り琴吹さんは僕の方を少し窺うように見つめる。
「大丈夫、もうすぐ終わるし琴吹さんも遠子先輩と一緒に楽しんでよ」
にっこり笑って答えると琴吹さんは慌てて目をそらして「井上がそう言うなら」と花火を蝋燭に近づけた。
下準備も終わり僕も花火を一本手に取り火を点ける。
パチパチと火の粉が舞い辺りを柔らかい光が灯る。
映し出された遠子先輩と琴吹さんは光の中できらきらと輝いていた。
こことは違う、現実じゃない違う世界へ迷い込んだかのような心地のよい空間が辺りを満たしている。
「花火って楽しいわね心葉君」
遠子先輩が顔を上げ僕に笑いかける。
その顔がとても澄んでいて一点の曇りもない本当に純粋なものだったから僕もつい頷いてしまう。
「こうして花火をするのが夢だったのよ。学校でこうして花火なんてちょっぴり冒険だと思わない?」
本当は夏休みにこっそりがよかったんだけどねと遠子先輩は付け加える。
「見つかったらどうするんですか。まだ明かりだってついていましたよ」
「もう!そんな実も蓋もない言い方はよくないわ。そうなったらちゃんと説明するもの、文化祭の予行演習です、って」
どうだといわんばかりに自信に満ち溢れた遠子先輩だけど、どう考えてもその言い訳は無理がある。一体どんな出し物をやる団体なんだそれは。
けれども言葉とは裏腹に僕は花火を持つ手を離さない。
ほんの数十秒の輝きはとても儚くて、本当に一瞬の夢のようで消えてしまうと次をと思う手を止められない。
きっとそれはここにいる全員が同じように思っているに違いない。
「こうして皆で思い出を共有できるなんて素敵で幸せね」
「はい!とってもきれいです」
「ななせちゃんは素直でよろしい。心葉君はどうなのっ?まだ何か言うつもり?」
「ぼ、僕だって・・・・」
ガサリ、とそのとき第三の音が僕たちの空間に割って入った。
まさに僕が今の気持ちを伝えようとしたその瞬間に何か別の気配が侵入した。
まさか先生に感づかれて―
遠子先輩もそう思ったのか琴吹さんを庇うように立ち上がろうとする。
「なぁに?随分とたのしそうじゃない」
聞こえてきたのは想像よりも高い声。
先生ではない、女性の―それも見知ったものだった。
「麻貴!どうしたのよ。なんであなたがこんな時間まで学校にいるの」
僕たちの前に現れたのは姫こと姫倉麻貴先輩だった。
何故にこんな時間まで彼女が学校いるのか。今ごろは自宅で豪華な夕食でも食している頃合だろうに。
「アトリエでついつい没頭しちゃってね。で、散歩がてら歩いていたら明かりを見つけて様子を見にきたってわけ。なにやら面白そうなことしてるじゃない」
「そうよ。今日はみんなで花火大会なの。夏休み何処かの誰かさんのお陰でずぅっと山篭りだったんだもの。その分を今日とりかえしているのよ」
やはり無理やり拉致られたことはしっかりとまだ根に持っているらしい遠子先輩の言葉にも麻貴先輩は全く動じない。
遠子先輩の言葉は麻貴先輩の微笑を一層深くしただけだった。
「そう、だったら私も一緒に楽しませていただこうかしら」
さっと花火を掴みあっという間に蝋燭に近づける。
「ごめんなさいね。あの時も特大打ち上げ花火でも用意しておかなくって」
「あら結構よ。麻貴に用意させたらどんなものがくるか。花火はこういう素朴なものが一番だもの」
完全に開き直ったのか遠子先輩も再び花火を手にもつ。
どうやら麻貴先輩は完全に居座るつもりらしい。
まぁ先生でなかった分よかったというべきか。
僕と琴吹さんも元通り花火を手に取る。
遠子先輩は一体どれだけ用意したのか花火はまだまだなくなる気配を見せない。
けれどもそれは、この夢とも現ともつかないこの瞬間がそれだけ続くということで。
きっとこの場にいる誰もがずっとこのまま続けばいいのにと思っているに違いのないことなんだろう。
琴吹さんと目が合い僕は自然に微笑んだ。
琴吹さんは少しだけ驚いたそぶりをして、けれども今度は少しだけはにかんだ笑顔を僕に返してくれた。



あとがき☆  ☆☆
文学少女シリーズ初二次小説です。
今日第6巻、外伝を読んだのでそれをちょこっと踏まえた秋らへんのお話。
秋に花火です。
本当は夏休みネタで書きたかったんですが、絶対あのあとそんなことしてる余裕なかったよねってことで、こんな風に。
内緒の冒険ってことでドキドキ感をだせれてたらなと思います。

 
 
 

私だけの宝物―
たくさんあって決められないけれどその中でもあれは特に最近のお気に入り。

回廊を曲がると背の高い男性の姿が飛び込んできた。
もっと明るい色を着ればいいのにと何度か忠告したのにもかかわらず彼の男性が身に纏うのは漆黒の闇の色。
墨をたらしたかのようなつややかな黒髪と一体となって実は内心好んでいたりもするのだがそれはまた内緒の話だ。
そんなユスティニアの夫であるアレクシードの姿を見とめてユスティニアは近くへ寄ろうと少しだけ歩調を速めた。
本日の予定であった勉強の時間もすでに終わりあとはお茶の時間まで時間を持て余していたところだったからちょうどよい。
どうせなら一緒にお茶も誘ってみようとユスティニアは意気込む。
あんなところにいるのだからこのあとの予定は開いているのだろうと勝手に思い込む。
急に足を止めたのは アレクシードが軽やかな声を発していたからだ。
次第に近づき肉声が届く範囲にまで近づき、ユスティニアの耳に入ってきたのは夫アレクシードのほがらかな笑い声だった。
彼が談笑しているところが珍しかった。
いつもは渋面をつくっている印象しかなかったし、何よりもその笑顔はいつもは自分に向けられているものだったから。
けれども今は別の誰かに向けられている。
一体誰だろう?ユスティニアは彼をあんな風に笑わしている相手が知りたくなって背伸びをする。
義姉のアゼリアだろうか、それともフラッド、まさか国王なんてことはあるまい。
心の中で日頃アレクシードが親しくしている者たちを浮かべていくものの何か違うとそのすぐ側で打ち消していく。
体を大きく揺らしてようやく目に飛び込んできたのはいかにも貴族然とした数人の令嬢たち。
ユスティニアも何度か目にしたことのある者だちだ。
アゼリアが招いたのだろうか、帝国から帰還してまた王城で暮らし始めたユスティニアの話し相手にとアゼリアは以前にもましてこうした令嬢たちを自身のお茶会に迎えるようになった。
アダルシャンに嫁ぎいくらかの年月を過ごして少しずつ少女へと成長する義妹に心を通わせる友人が出来ればとアゼリアも心を砕いていた。
ユスティニアより少し年上の少女たちは流行りのドレスや青年貴族たちの話や異国の宝飾品などの話題でいつも持ちきりで、彼女にしてみれば故郷の姉たちを思い出させるような少しだけ郷愁の念を抱かせたりもする。けれどもアゼリアの好意だし年の近い少女たちと話すことは案外退屈ではないと近頃ユスティニアは感じていた。
けれども今回ばかりは何故だか胸の痛みが先行した。
私だけの―
その思いが心を占める。
そろりと窺っていたつもりだったがそれはユスティニアだけが感じていたことか、件の少女たちは彼女の姿を目にとめると挨拶をし去っていった。
またのちほど、という言葉とともに回廊を去っていく。
「ああ、ユティ勉強の時間は終わったのか?」
去っていく令嬢たちを見送ってアレクシードはユスティニアを振り返り声を掛けた。
いつもと同じその表情も声も見知ったそれと同じ、親しみを感じる優しい声音。
「あんなもの私にかかれば造作もない」
なにか、自分でもわからないもやもやが頭一杯に広がってしまいユスティニアはついぞんざいな受け答えをしてしまう。
すぐにぷいと顔を背けてしまったユスティニアを訝しがってアレクシードはぽんと彼女の頭の上に手を乗せる。
「な、何をするっ!」
子ども扱いするでないとユスティニアは乗せられた手を勢い良く振り払おうとする。
「え、いや、なんか元気なさそうだったからつい」
「ついではない。私は子供ではないのだからそのようなことをされても嬉しくない」
困ったとばかりにうーんと唸りだすアレクシードを見上げてユスティニアは少し悲しくなった。
やはり彼にとって自分はまだまだ子供なのかと。
最近では痛切に感じてしまう、彼との距離、心の差を。

ああなんと厄介なのだろう。
この気持ちなんというものか。

「ご機嫌を直してください。我が姫君」

そっと見上げれば優しい瞳とぶつかった。
ユスティニアの大好きな宝物。口の端を上げた柔和な面持ちも自分だけを見つめる慈しみのこもった瞳も彼女のお気に入り。
未だ未開花のこの気持ち。
心だけが知っている。
今はまだ分からなくてもいい、いずれきっと知るときがくるまでは。


あとがき。
すみません、収拾がつかなくなりました。
時期的には最終巻のあと数ヶ月後くらいで。
ユティ無自覚のやきもち話です。
そのうち16歳くらいのお話も書きたいです。
こちらにいらしているかたでアダルシャンシリーズご存知の方はいらっしゃいますかね??
アクセス解析なんかみてるとたまに検索かけてくれるかたなんかもいらっしゃったりで2つくらいしか二次書いてないのに嬉しいやら少なくってごめんさないやらです。
アダルシャンも大好きなのでもうちょい書いていきたいな。
できればユティ16,7歳でちょい寸止め話を


 
 
 

「あぁーあ、つまらい。アレク少しは私にかまうのじゃ」
「なぁに言ってんだ。こっちは仕事で忙しいってのに。」
「じゃぁフラッドは?」
「わりぃ。俺もこいつの補佐で忙しいんだ。ほら俺が気ぃつけてないとこいつのことだから変なところで誤字脱字するともかぎらないし」

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アダルシャン


角川ビーンズ文庫 アダルシャンシリーズより。

主人公のユスティニアとアレクシードです。
昨日下のイラスト塗ってたら突発的に書きたくなって、まもうさと一緒に書きました〜

なぜかというと・・・・
ビーンズの雑誌にその後ユティ16歳のお話が載ってたからです〜
これはもう描くっきゃないでしょうってことで。

それでは舞台裏のはじまりはじまり〜

☆    ☆      ☆    ☆ ☆   ☆

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Fairy Square
 

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