2008.02.03 15:39
部屋を空けると金色に輝く妖精がいた。
窓から差し込む金色の光の中に見えるのはいとおしいきみ。
妖精画から抜け出してきたような、そこだけ現実とは違った特別な空間。
そんな風にも感じて。
彼女はこのままどこかに行ってしまうのではないか、僕には手の届かない向こう側の世界へ、そう思ってしまったら考えるよりも先に言葉を紡いでいた。
「何をしていたの?」
―と。
日の光が暖かくってね、そうはにかむリディアは日の光のなかで輝いていた。
日の光のほうが霞んでしまうほど清楚でけれども誰よりも僕を惹き付けるその笑顔で。
日向ぼっこと少しだけ拍子抜けのする、けれどもどこか懐かしい響きに触発をされ僕もリディアの隣に腰をかける。
隣のリディアは少し肩をこわばらせたようで、それが僕の触れ合ったところから少しだけ伝わってきてくすぐったくさせる。
ねぇリディア、僕はね。君の一挙一動に内心ドキドキさせられているんだよ。
今だってこの暖かくって心地いい空間を壊したくなくて僕はどうしたらいいのかと君の肩に手を回したいのを必死になって止めている。
きっと君は何か用事をでっちあげてここから去ってしまうから。
隣にいるのに何も出来ない。
けれども久しぶりの日の光と暖かな静寂。
しばらく忘れていた休息の時間。
妙に懐かしい気持ち、遠い日の心の奥底にかけた鍵が溶かされていくようなふわりとした感覚に戸惑いながらも身をゆだねる。
覚醒したらかすかなカモミールの香りが鼻腔をくすぐる。
どうやら少しだけ眠ってしまったらしい。
僕にしては珍しい・・・いや、気を許して眠ってしまうということ自体無かったのでないだろうか。
あの戦場のような、狂気の世界でそんなこと出来るはずも無かった。
「エドガー??疲れている?」
少し前の記憶をたどるようにゆっくりと意識を傾けているとすぐ隣から遠慮がちに声が掛けられた。
少ししか離れていないところに見慣れたキャラメル色の美味しいそうな髪の毛が見える。
至近距離の美しい、世界の裏側まで見透かすような神秘の金緑の瞳が僕を見上げるように覗き込んでいる。
そうか―
彼女の、リディアの隣だったから。
何時の間にか大切に、本当に無くてはならないくらいいとおしくなった妖精博士の少女。
彼女の隣だから、陽だまりも暖かい部屋も何もかもが心地よくて。
遠い日のように安心して―
「もしかして寄りかかっていた?ごめんね、重かっただろう?」
あぁこれで意識がハッキリしていたらと思わずにはいられない。
「ううん、別に・・・・・・・。でも疲れているのならきちんと横になったほうがいいわ。そうだわレイヴンを呼んできて」
反射的に立ち上がろうとするリディアの腕を僕は掴んでいた。
この幸福な時間が終わるのなんて嫌だ。
もう少しだけ、せめてもうあと日がかげる少しの時間まで君と一緒に過ごしていたいんだ。
「あまりにも暖かくって、少しだけうとうとしただけだよ。大丈夫。だからもう少しだけ・・」
本当に?そう瞳で問い掛けてくるリディアに大丈夫だよと自信たっぷりにかえす。
少しだけ逡巡したリディアは深くは問い掛けなかった。
「そうね、金色の光がとても綺麗で、あったかくって気持ちいいものね」
もう少しだけ。
君とこうしてささやかな時間を過ごしていられるのなら―
僕はなんだってするよ、リディア。
いつか君と二人で歩いていけるその日のために―
☆☆ ☆☆あとがき☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆
31日に書いた作品陽だまりの中でと対になってます。
こちらはエドガー視点で書いてみました。
前回の陽だまりの中でへの感想拍手有難う御座いました。
穏やかな午後をイメージして二つとも書いてみたのですがいかがだったでしょうか
素敵な作品だなんて・・・そんな、私なんかまだまだで・・
けれども感想をいただけてとっても嬉しかったです。
有難う御座いました。
一応お話としては涙の秘密を〜とかの辺りを意識して書いてみました。
リディアのエドガーの気持ちが一歩ずつとても大きなものになっていって
気付かないのは本人だけ
ニコのやきもきっぷりがお気に入りな頃です。
窓から差し込む金色の光の中に見えるのはいとおしいきみ。
妖精画から抜け出してきたような、そこだけ現実とは違った特別な空間。
そんな風にも感じて。
彼女はこのままどこかに行ってしまうのではないか、僕には手の届かない向こう側の世界へ、そう思ってしまったら考えるよりも先に言葉を紡いでいた。
「何をしていたの?」
―と。
日の光が暖かくってね、そうはにかむリディアは日の光のなかで輝いていた。
日の光のほうが霞んでしまうほど清楚でけれども誰よりも僕を惹き付けるその笑顔で。
日向ぼっこと少しだけ拍子抜けのする、けれどもどこか懐かしい響きに触発をされ僕もリディアの隣に腰をかける。
隣のリディアは少し肩をこわばらせたようで、それが僕の触れ合ったところから少しだけ伝わってきてくすぐったくさせる。
ねぇリディア、僕はね。君の一挙一動に内心ドキドキさせられているんだよ。
今だってこの暖かくって心地いい空間を壊したくなくて僕はどうしたらいいのかと君の肩に手を回したいのを必死になって止めている。
きっと君は何か用事をでっちあげてここから去ってしまうから。
隣にいるのに何も出来ない。
けれども久しぶりの日の光と暖かな静寂。
しばらく忘れていた休息の時間。
妙に懐かしい気持ち、遠い日の心の奥底にかけた鍵が溶かされていくようなふわりとした感覚に戸惑いながらも身をゆだねる。
覚醒したらかすかなカモミールの香りが鼻腔をくすぐる。
どうやら少しだけ眠ってしまったらしい。
僕にしては珍しい・・・いや、気を許して眠ってしまうということ自体無かったのでないだろうか。
あの戦場のような、狂気の世界でそんなこと出来るはずも無かった。
「エドガー??疲れている?」
少し前の記憶をたどるようにゆっくりと意識を傾けているとすぐ隣から遠慮がちに声が掛けられた。
少ししか離れていないところに見慣れたキャラメル色の美味しいそうな髪の毛が見える。
至近距離の美しい、世界の裏側まで見透かすような神秘の金緑の瞳が僕を見上げるように覗き込んでいる。
そうか―
彼女の、リディアの隣だったから。
何時の間にか大切に、本当に無くてはならないくらいいとおしくなった妖精博士の少女。
彼女の隣だから、陽だまりも暖かい部屋も何もかもが心地よくて。
遠い日のように安心して―
「もしかして寄りかかっていた?ごめんね、重かっただろう?」
あぁこれで意識がハッキリしていたらと思わずにはいられない。
「ううん、別に・・・・・・・。でも疲れているのならきちんと横になったほうがいいわ。そうだわレイヴンを呼んできて」
反射的に立ち上がろうとするリディアの腕を僕は掴んでいた。
この幸福な時間が終わるのなんて嫌だ。
もう少しだけ、せめてもうあと日がかげる少しの時間まで君と一緒に過ごしていたいんだ。
「あまりにも暖かくって、少しだけうとうとしただけだよ。大丈夫。だからもう少しだけ・・」
本当に?そう瞳で問い掛けてくるリディアに大丈夫だよと自信たっぷりにかえす。
少しだけ逡巡したリディアは深くは問い掛けなかった。
「そうね、金色の光がとても綺麗で、あったかくって気持ちいいものね」
もう少しだけ。
君とこうしてささやかな時間を過ごしていられるのなら―
僕はなんだってするよ、リディア。
いつか君と二人で歩いていけるその日のために―
☆☆ ☆☆あとがき☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆
31日に書いた作品陽だまりの中でと対になってます。
こちらはエドガー視点で書いてみました。
前回の陽だまりの中でへの感想拍手有難う御座いました。
穏やかな午後をイメージして二つとも書いてみたのですがいかがだったでしょうか
素敵な作品だなんて・・・そんな、私なんかまだまだで・・
けれども感想をいただけてとっても嬉しかったです。
有難う御座いました。
一応お話としては涙の秘密を〜とかの辺りを意識して書いてみました。
リディアのエドガーの気持ちが一歩ずつとても大きなものになっていって
気付かないのは本人だけ
ニコのやきもきっぷりがお気に入りな頃です。
| 伯爵と妖精 | コメント(1) | トラックバック(0) | ↑ |
この記事へのコメント
素敵なお話ですね!!
あたしは伯爵と妖精がだいすきなので、またお邪魔させていただきマス★
あたしは伯爵と妖精がだいすきなので、またお邪魔させていただきマス★
| 薔薇少女 | URL | 2008.10.10 11:48 | 編集 |
コメントを書く
| ホーム |
















