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2008.03.08 22:31

重い色の空模様を何気なしに見やるとふと先日あった出来事がさざ波のようにうさぎの頭を浸食した。
あんなことを聞いてしまったからだろうか。
だからこんな空模様を見上げてふと脳裏に掠めたのかもしれない。
あのときの会話と、彼の面差しを。
このころの空虚な、何かをぱらぱらと落としてしまったかのような脱落したような思いがそれを増長させる。
「うっさぎ~!どうしたのよっ。ボーっと立ち止まっちゃって。さては男のことを考えていたな?」
どんっと後ろからの衝撃とともに溌剌とした親友のからかいまじりの声が聞こえた。
「もぉぉ!なるちゃんたら、びっくりするじゃない」
「あら、声はかけたのよ。だけどうさぎったらずぅっとボケっとしちゃって全然反応しないんだもん」
「ごめん」
それは悪いことをしたとうさぎは素直に謝った。
「で、なぁに?やっぱり気になる男の人のことでも考えていたのかな?」
自分でもわからない気持ちに言葉がついたかのようにうさぎの心臓がどきっと大きく波打った。
「ははーん。図星ですか」
「まっ、まさか。そんなことないわよ。大体なんで男限定なのよ」
「だぁって、テストで赤点とっても遅刻してもうさぎはそんなに落ち込まないじゃない」
「私だって赤点とったら落ち込むわよ」
親友の失礼な一言にうさぎは反論をする。
確かに毎回赤点をとってしまうがうさぎだって好きでとっているわけではないのだ。
そういえばお勉強も大切よなんてどこかで聞いた気がするのは何故だろう。
「だけどそういうときのうさぎともちょぉっと違ったのよね」
「え?」
「だからね、これは親友のカンよ、カン」
ふふっと笑ってなるはうさぎの前に回りこんで彼女の顔を見上げる。
その笑顔は自信に溢れていてうさぎは不覚にもうっとたじろいでしまった。
本当になんでもないのだ。
そう。ただの思い出。いつもと同じ日常の延長線だった、それだけ。
だから蓋をする。




けれどもその蓋はきっと完全には閉じていなかったのかふとした弾みで簡単に開こうとする。

そっちこそ俺のことを付回してるんじゃないないだろうな―

ほらまた。
ふいうちのフラッシュバックがうさぎを襲う。
脳裏に掠めるのはあの日の病院でのこと。
ほんの些細なことから少しだけ知ってしまった彼のこと、彼の過去。
ふとした弾みで溢れ出す。気になってしまう。
イニシャルがちらついて離れない、付け回してなんかいないのに出会ってしまう偶然に翻弄される。
だからきっと自分のもやもやを映したかのような空模様にシンクロさせてしまうのだろう。
突然うさぎの頬に冷たい感触があたった。
知らずに涙でもながしているのかと訝しがるが今度は制服を何かが濡らす。
ぽつっと濡らしたものが制服にはじかれているのを確認するとうさぎはようやく雨が降ってきたのだと自覚をする。
わりと大粒の雨がまたひとつ制服を濡らしていく。
その感覚が徐々に狭くなってくる。
うさぎは慌てて走り出した。
まだ家までは随分とある。通り雨のようなものなのか雨足はどんどん強くなっていき容赦なくうさぎにたたきつける。
ちょうど商店街の近くだったのでうさぎは慌てて周囲を確認してちかくの店先に非難することにした。どのくらいの時間かはわかないが少ししたら多少小雨になるだろう。
そうしたら走って帰れないこともない。
見つけたお店の軒先に走りこみうさぎは盛大に息をついた。
すると近くで同じような気配を感じた。たった今走ってきて少しだけ荒くなった息遣いが。
お互い同じ状況下にいる似たもの同士の事がきになったのかその声のする方向に顔を向け、同じように声をあげた。
「あ、あんた!!なんでっ」
「おだんご頭っ、どうしておまえが!!」
そう、うさぎと同時に雨宿りに走ってきたのは何故だかしょっちゅう顔をあわせる大学生だった。
つい最近彼の名前が地場衛だと知った、うさぎの中ではいやみなヤツとの印象の強い大学生。
「急に降ってきたんだもん。雨宿りに決まってるじゃない」
「俺だって、急に降ってこられたんだ。雨宿りだ」
「まったく、こんなときにまで一緒とはな」
ふぅっと息を吐き衛が嘆息する。
「なによっ、そんなに私とが嫌なら出て行ってあげるわよっ」
そんな風に言われるとなんだか腹が立つような少しだけ悲しいようなもやもやとした痛みが襲ってきてつい反射的に返してしまう。
その勢いで軒先から出て行こうとする。
雨宿り場所はここだけではないのだから少しくらい濡れたってかまわない。
帰ってお風呂に入ればいいことじゃないか、とうさぎが駆け出そうとするとふいに腕をつかまれた。
「馬鹿。本当にでていくことはないだろう。」
改めて確認をすると衛が険しい顔でうさぎの腕を掴んでいた。
「な、なによ。あんたが迷惑そうにするから出て行こうとしたんじゃない」
見つめられた瞳が思いのほか深くてうさぎは慌ててその視線から逃れるように目線をはずしてしまう。
「・・・・・悪かったよ。そういう意味で言ったんじゃない。・・・だから・・・出て行こうとするな」
「わ・・・わかったわよ。・・・だから、その、離してくれない?」
ようやく自分がうさぎの腕を掴んだままなことに気がついた衛が手をほどく。
向き合ったままでは居心地が悪いのでうさぎは衛の隣にいどうする。外はいっそ気持ちのいいくらいに大雨で豪快な音だけがあたりに響いていた。
さすがにこんな急な雨の中歩いている人は見かけられない。
うさぎは世界に取り残された奇妙な感覚に落ちいった。
それもこいつとだなんて。
まだ先ほど掴まれた腕に感触が残っていてそれを感じればうさぎの心は妙に掻きたてられた。
つい隣の青年を意識してしまう。
すこし視線をずらして見上げた衛は雨を真剣に見つめているようでその表情につい見入ってしまう。
どのくらいそうしていたのか、視線に気付いた衛がうさぎのほうを見やる。
「どうした?」
「えっ・・・・えーと・・・・」
突然のことに慌てたうさぎは咄嗟の言葉がでてこない。
自分でもわからないこの感情をどう説明しろというのか、しどろもどろに何かを口にしようとするがやはり上手い言葉がみつからない。
「べ、別に・・・・・。な、なんでもない・・わよ」
そううさぎが返すと特に興味も無いのか衛はまた外に向き直る。
「そ、そういえばさ」
なんだか急にしゃべりたくなってうさぎは言葉を紡ぎ出す。
「その・・・・・、平気なの?」
「なにが?」
「こないだ薬もらっていたじゃない。だからその・・・その後・・・・」
会話の意図が掴みかねていた衛だがうさぎが何時の事を話しているのか理解して答えを返す。
「あぁ。別に最近はなんともないさ」
時々頭痛がすると先日病院で目の前の少女に話したことを衛は思い出す。
そういえば拾った薬をわざわざ届けに来てくれたのだ。
普段は喧嘩ばかりして怒った顔したみたことがなかったけれどあの時彼女は衛にそれとは違う、心配した表情をみせたと記憶をなぞる。
「べ、別に。ただ・・・少しだけ気になったからっ!」
聞いて初めてうさぎは自分が目の前の彼に関心を持っていると気付かれたくなくて急に慌てた口調で会話を締めくくる。
だってまるでずっと心配していたようじゃないか。
そう。ずっと、気にかけて。
「なんだか気味悪いなぁ。おだんご頭にそこまで心配されるなんて」
少しだけ真剣に尋ねたのに目の前の彼はすぐにまぜっかえしたような受け答えをする。
だからうさぎもそれに反応してしまうのだ。
「な、なによっ。私だって知ってる人の心配くらいするわよ」
けれども今勢いに任せて核心をつく言葉を言ってしまったのではないか。
気がついたときにはもう遅い。出てしまった言葉は取り消せない。
慌ててつぐんでみても心配という単語はいまさら消えはしない。
「サンキュ」
絶対にからかわれると思っていたうさぎに降り注いできたのはそんな感謝の言葉。
それに衛が少しだけ相好をくずしたものだからうさぎは一気に頬が赤くなってしまった。
こんな不意打ち卑怯だ。
そう思ってみるものの自分でも頬が熱くなっているのを感じてしまってうさぎは次の言葉がでてこない。
「あ、あたしママに用事たのまれているんだった!ごめん先帰るわ」
なんともいえない感情を持て余したうさぎは慌てて用事をつくってその場から逃げ出すように駆け出す。雨だって幾分収まってきた。
帰れないくらいじゃない。少しくらいなら平気、と駆け抜ける。
だって、お礼を言ったあいつの表情は穏やかでやわらかくって不覚にも少しだけ見惚れてしまって。
二人だけの世界になんて居れなかった。
閉めてたと思っていた蓋は突風に吹きとばされたかのごとくいとも簡単に開いてしまって、走りながらもうさぎは少しだけ意地を張っていたのかなと心を満たしていく安堵感に少しだけ頬を緩めた。



あとがき☆ ☆
カセットコレクションその後のお話。
前々から描きたくって
だけどちょっと難しいかなぁなんて思っていて。
だけど書いちゃいました。カセコレのこのお話大好きです。
やっぱりいいよねっ
喧嘩ばかりの日々の二人。ラブラブより萌えるのは何故でしょう?
でもカセコレの病院での衛の声はめっちゃ甘いです。
妹をなだめている感じな声。しょうがないな的な。
つーかネットをうようよしながら書いていたので気がつくと10時越え
ありえない・・・・・

アップしてタイトルを書いてないことに気付いた・・・・・
タイトル、毎回苦労するよね
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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