フェアリータウン

こんにちは。ココはセーラームーンのまもうさ、伯爵と妖精の二次創作、コバルト系ラノベ、漫画、アニメ(特にコードギアス)の感想語りメインです

 
 
★未来のこと★
 

高岡未来

Author:高岡未来
こんにちは。高岡未来です。
あ、ちなみにみくじゃないです。みらいと読みます。
好きなもの:漫画・ライトノベル・アニメ・ファッション・旅行
好きな作品:セラムン・伯爵と妖精・コードギアス・学園アリス・種村さん作         品・文学少女・風の王国などなど色々
使ってる画材:カラーインク・アクリルガッシュ・パステル・色鉛筆
今年の野望:ドイツのクリスマスマーケットに行くこと

ブログについての説明とリンクについてはカテゴリの「はじめに」をお読みください。
バナーもやっとつくりました。
まだ一種類ですがそのうち増やしていきます

 
 
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「心葉君花火をしましょう」
遠子先輩の行動に幾分慣れたとはいえ秋もそろそろ深まろうかという今日この頃に花火はないだろう。
いまだに彼女の考えていることについていけないことがある。
「先輩今何月か分かっているんですか?10月ですよ」
「まだ1日じゃないの。そんなの9月と一緒だわ」
ぷぅっと頬を膨らませへりくつをこねてくる。
「大体なんで花火なんですか。芋掘りに行くとか言うならまだわかりますけど。花火は普通夏にやるものです」
「だって今年の夏はいきなり麻貴に拉致されちゃって出来なかったんだもの。心葉君と一緒にやろうとおもって特大サイズの花火セットを用意していたのに」
無駄になってもいいの??とまくしたててくる。
きっと今のいままでその存在なんか忘れていたくせに。
どうせ週末掃除でもして見つけたに違いない。
だったら来年の夏くらいまで見つからなければよかったのにとつい思ってしまう。
そんな僕の心中が顔に出ていたのか遠子先輩の剣幕はさらに激しさを増していってついにはいつもの「これは先輩命令よ!心葉君。今日の夜7時に学校に集合よっ」というありがたくもなんともない言葉を引き出したのだった。


まったく文学少女たる先輩は何をしでかすかわからない。
放っておいてもいいのだがそれはそれで次に顔を合わしたときがめんどくさい。
どうせ廊下で待ち伏せなんかして「心葉君ひどいわっ」と切々と訴え続けるに違いないのだ。
一度家に帰って当り障りのない理由を適当につけて家を出て学校に向かう僕は大きなため息をついた。
なんだってこんな夜に先輩に振り回されなきゃいけないんだ。
人通りもまばらな通学路。
ところどころ明かりが灯っている学校が見えてきた。
きっと部活やらで残っている生徒や教師がまだいるのだろう、そんなところで花火なんかやれば絶対に見つかるのにどうして先輩はわざわざ学校を指定してきたんだろう。
約束の場所につくと遠子先輩はバケツと花火をを両手に持ちにこりと仁王立ちをして待っていた。
「時間通りよ心葉君。えらい」
上機嫌な遠子先輩は頬が緩みっぱなしだ。
妹だってここまで盛大な張り切り笑顔は見せないだろう。
「遠子先輩っ!お待たせしました」
てっきり僕たちだけかと思っていたら荷物を持った琴吹さんが少し息を切らして走ってきた。
手にもっているのは花火の袋だろうか、色鮮やかな花火がパッケージの隙間から顔をのぞかせていた。
というか一体どれだけの量を用意していたのだろう。
それを琴吹さんに手伝わせるなんてまったく先輩は。
だったらおとなしく僕が手伝いに行ったのに。
前に張り込みをすっぽかしたことをまだ根に持っているのだろうか。
「琴吹さんもきてたんだ」
「そ、そうよ、悪い??」
「いや、そんなことないよ。だけど家の人とかは平気だったの。夜だしその・・・」
「そこは大丈夫よ。私がきちんとご家族の方に説明をしたから」
えへんと胸をはって遠子先輩が前に出る。
いや、そっちのほうがいろんな意味で心配なんだけど。
だってほら色々前科があるし。
「本当に大丈夫?」
こそりと琴吹さんに確認をすると琴吹さんはさっと僕から距離をとる。
暗がりでよく見えなかったけれどもその顔は少しだけ赤かったような。
「井上に心配されなくてもうちは平気よっ!!」
結局はまた怒らせてしまったらしい。
キッと睨みつけられる。
「さあさ、始めるわよ。ほら蝋燭を立てるから手伝って」
嬉々とした遠子先輩が花火セットの中から蝋燭を、そして自分の荷物の中から空になった缶を取り出す。
ご丁寧に蝋燭を刺す芯まで刺さってある。
受験生のくせにどこまで暇人なんだ、てゆーかこんなことしていていいものなのか。
遠子先輩の用意した花火は本当に家族用の手持ちの花火がたくさんつまったごく普通のものだった。
高校生が好きそうな派手目なものは一切入っていない。
なんだかなと思いながら僕は花火セットの中の花火をばらしていく。
そんな僕の労働の横で遠子先輩は花火を手に取り素早くそれに火を点ける。
「ほらほらっななせちゃんも早く早く」
ふふふと微笑みながら琴吹さんに花火を手渡す。
花火を受け取り琴吹さんは僕の方を少し窺うように見つめる。
「大丈夫、もうすぐ終わるし琴吹さんも遠子先輩と一緒に楽しんでよ」
にっこり笑って答えると琴吹さんは慌てて目をそらして「井上がそう言うなら」と花火を蝋燭に近づけた。
下準備も終わり僕も花火を一本手に取り火を点ける。
パチパチと火の粉が舞い辺りを柔らかい光が灯る。
映し出された遠子先輩と琴吹さんは光の中できらきらと輝いていた。
こことは違う、現実じゃない違う世界へ迷い込んだかのような心地のよい空間が辺りを満たしている。
「花火って楽しいわね心葉君」
遠子先輩が顔を上げ僕に笑いかける。
その顔がとても澄んでいて一点の曇りもない本当に純粋なものだったから僕もつい頷いてしまう。
「こうして花火をするのが夢だったのよ。学校でこうして花火なんてちょっぴり冒険だと思わない?」
本当は夏休みにこっそりがよかったんだけどねと遠子先輩は付け加える。
「見つかったらどうするんですか。まだ明かりだってついていましたよ」
「もう!そんな実も蓋もない言い方はよくないわ。そうなったらちゃんと説明するもの、文化祭の予行演習です、って」
どうだといわんばかりに自信に満ち溢れた遠子先輩だけど、どう考えてもその言い訳は無理がある。一体どんな出し物をやる団体なんだそれは。
けれども言葉とは裏腹に僕は花火を持つ手を離さない。
ほんの数十秒の輝きはとても儚くて、本当に一瞬の夢のようで消えてしまうと次をと思う手を止められない。
きっとそれはここにいる全員が同じように思っているに違いない。
「こうして皆で思い出を共有できるなんて素敵で幸せね」
「はい!とってもきれいです」
「ななせちゃんは素直でよろしい。心葉君はどうなのっ?まだ何か言うつもり?」
「ぼ、僕だって・・・・」
ガサリ、とそのとき第三の音が僕たちの空間に割って入った。
まさに僕が今の気持ちを伝えようとしたその瞬間に何か別の気配が侵入した。
まさか先生に感づかれて―
遠子先輩もそう思ったのか琴吹さんを庇うように立ち上がろうとする。
「なぁに?随分とたのしそうじゃない」
聞こえてきたのは想像よりも高い声。
先生ではない、女性の―それも見知ったものだった。
「麻貴!どうしたのよ。なんであなたがこんな時間まで学校にいるの」
僕たちの前に現れたのは姫こと姫倉麻貴先輩だった。
何故にこんな時間まで彼女が学校いるのか。今ごろは自宅で豪華な夕食でも食している頃合だろうに。
「アトリエでついつい没頭しちゃってね。で、散歩がてら歩いていたら明かりを見つけて様子を見にきたってわけ。なにやら面白そうなことしてるじゃない」
「そうよ。今日はみんなで花火大会なの。夏休み何処かの誰かさんのお陰でずぅっと山篭りだったんだもの。その分を今日とりかえしているのよ」
やはり無理やり拉致られたことはしっかりとまだ根に持っているらしい遠子先輩の言葉にも麻貴先輩は全く動じない。
遠子先輩の言葉は麻貴先輩の微笑を一層深くしただけだった。
「そう、だったら私も一緒に楽しませていただこうかしら」
さっと花火を掴みあっという間に蝋燭に近づける。
「ごめんなさいね。あの時も特大打ち上げ花火でも用意しておかなくって」
「あら結構よ。麻貴に用意させたらどんなものがくるか。花火はこういう素朴なものが一番だもの」
完全に開き直ったのか遠子先輩も再び花火を手にもつ。
どうやら麻貴先輩は完全に居座るつもりらしい。
まぁ先生でなかった分よかったというべきか。
僕と琴吹さんも元通り花火を手に取る。
遠子先輩は一体どれだけ用意したのか花火はまだまだなくなる気配を見せない。
けれどもそれは、この夢とも現ともつかないこの瞬間がそれだけ続くということで。
きっとこの場にいる誰もがずっとこのまま続けばいいのにと思っているに違いのないことなんだろう。
琴吹さんと目が合い僕は自然に微笑んだ。
琴吹さんは少しだけ驚いたそぶりをして、けれども今度は少しだけはにかんだ笑顔を僕に返してくれた。



あとがき☆  ☆☆
文学少女シリーズ初二次小説です。
今日第6巻、外伝を読んだのでそれをちょこっと踏まえた秋らへんのお話。
秋に花火です。
本当は夏休みネタで書きたかったんですが、絶対あのあとそんなことしてる余裕なかったよねってことで、こんな風に。
内緒の冒険ってことでドキドキ感をだせれてたらなと思います。

 
 
 
 
 
 











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