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2008.05.11 00:30

くるくるとめまぐるしく変わる君の表情に僕もつい顔をほころばせてしまう。
嬉しそうに世界を見つめて、鈴を転がしたような美しい声で歌う。
気がつくと僕はきみを追いかけて、つかまえている。
目を離すときみはどこまでも行ってしまいそうで、時々僕は不安になるから。
「エリック。ねぇ見て!」
「えっ・・・?ああ」
考え事は彼女の声でかき消された。
街へ散策へでるとアリエルは見るもの全てがめずらしいのかくるくるとよく動き回る。
無理もなかった。
彼女は元人魚で、海の世界にはなかったものがこちら側地上にはたくさんある。
彼女には全てが珍しいらしい。
最初にアリエルと出かけたときも彼女の行動に驚かされっぱなしだった。今ではそこまでの奇行をすることはなくなったけれども、それでも彼女のはしゃっぎっぷりは子供のそれのようにめまぐるしかった。
「ほらとってもきれい!」
そういってある店の前に駆け寄っていった。
少しだけ遅れて僕が到着するとアリエルは手招きをした。
「これはなぁに?」
「ああ。これは万華鏡だね。筒の中を見せれもらおう」
「筒?飾りじゃないの?このままでもとってもきれいだわ」
じぃっと見つめるアリエルは感心したようにつぶやいた。見事な細工の万華鏡はそれだけでも装飾品として見劣りはしない、秀逸な出来のものだった。
店の中に入って店主にいくつか商品を持ってきてもらった。
不思議そうに成り行きを見守っていたアリエルに万華鏡を手渡して、ここを覗いてごらんと小さな穴を指し示す。
「うわぁ・・・・。すごいわ!とっても綺麗っ」
満面の笑みをうかべ興奮しきったアリエルは何度もすごいすごいを繰り返す。
「ほら、こうやって・・」
アリエルの手に添えて僕は万華鏡を少しずつくるくると回し始めた。
「模様が代わったわ」
感心しきってその後もアリエルはいくつもの万華鏡を飽きずに試して回った。
小さなものから大きなものまでどれもこれも不思議な、彼女の中では大きな発見のように。
僕は彼女に手ごろなサイズのものを買ってあげてその店を後にした。
「ありがとうエリック。大切にするわ」
「喜んでもらえてうれしいよ」
「ええ。人間の世界には本当に色々なものがあるのね。海の世界では考えられないものがたくさん。昔から色んなものを集めていたのよ」
万華鏡を握り締めながらアリエルは楽しそうに話し始めた。
「どこから見つけてくるんだい?」
「難破船よ。よくフランダーと一緒に潜り込んでね」
「へぇ・・・難・・・」
「サメの棲家でもあるから見つからないように慎重にね。追いかけられて大変な目にあったりもしたっけ」
あのときは大変だったなぁとアリエルは呑気に続けるが僕は話を聞いて怖気だってしまった。
サメの棲家に平気で入っていくとは、アリエルは昔から元気一杯だったらしい。
きっと戦々恐々としていた人たちもいたに違いない。
けれども、こういうときに感じてしまう。
横にいるアリエルはとても懐かしそうにおだやかな表情で昔を語っている。
だからこそ僕は色々と考えてしまう。
彼女を海から奪ってきて、地上に連れ去ってきて彼女は後悔していないのだろうかと。
少しだけ不安になってしまう。
離す気はさらさら無かった。
けれども少しでも寂しいと感じているなら―海を懐かしんでいるならと。
考えずにはいられない。
急に押し黙ってしまった僕に気がついたのかアリエルが上を見上げた。
「どうしたの?」
「いや・・・。なんでもないよ」
「元気なさそうだけど・・・疲れちゃった?」
そういってアリエルは僕の手をぎゅっと握り締めた。
その手がとても暖かく愛しくて僕は離せそうも無かった。
「アリエル・・・・」
僕はアリエルの手を握り返した。
まっすぐに僕を見上げるアリエルの目線と僕のそれとが交じりあった。
もう片方の手が彼女の頬に触れそうになった。
その時。
ふいに賑やかなメロディが僕たちの間に割り込むように流れ込んできた。
「あらっ、見て!エリック」
刹那、彼女の興味は次のものに移ってしまったらしい。音楽のする方向へ首をかしげる。
なじみの広場では男女が華やかに踊っていた。
「懐かしい!私たちも踊ったわね」
ほらっ、初めて街に来たときとアリエルは興奮も冷めあがらぬ様子で手を叩いた。
勿論覚えている。
知り合ったばかりでだけど彼女から何故だか目が離せなくって、あのときも物珍しがったアリエルが僕を引っ張っていって一緒に踊ったんだ。
アリエルの太陽のような笑顔が眩しくて久しぶりに楽しいと感じた瞬間だった。
「わたしあなたとはじめて踊ったときのこと昨日のように覚えているわ。とても嬉しかったしドキドキしたの」
私たちも行きましょうとアリエルは僕の腕をとって勢い良く走り出す。
つられる格好で僕も駆け出した。
「ねぇアリエル」
「なぁに?」
「今幸せ?」
ふいな僕の質問に一瞬アリエルは面食らった表情をした。
突然幸せかと問われればだれだって吃驚してしまうだろう。それでも聞かずにはいられなかった。
海から引き離してしまったから。
僕の真剣な表情に気がついたのかアリエルはにっこりと微笑んだ。
「ええ幸せよ。大好きなあなたといられてとっても幸せ。毎日楽しいわ」
たまに海を切なそうに見つめて、こっそりと足を水に浸けているアリエルを知っている。
僕は宝物を手に入れてしまったから、それを再び海へ返すことは出来ないだろう。
どうしても繋ぎとめておきたい。
アリエルには内緒の僕だけのこの想い。
「変なの、急に」
「そうだね。僕は離さないから」
「ん?」
「いや。こっちの話」
離さない。ようやく手に入れた僕の宝物。
僕は彼女の手を握り返して一緒に広場を目指した。



あとがき☆★
やってしまいました。
ホント私の趣味丸出しです。
ディズニー映画リトルマーメイドより二次作品。
エリック王子主体で一応、その後・・・
独占欲まるだしですねーーーー
そんな描写がやばいっ!好き!!ってことでこんなものを・・・・
実際問題未来は現実自分の彼氏がこんな独占欲丸出しだったら引きますが・・・・
まぁ物語だし。二次作品だし!こういうのはOKってことで
リトルマーメイドは大好きですっ
子供の頃から何回観たことか。台詞軽く暗唱できちゃうくらいには観ました
歌ありラブありサイコーです


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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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