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2008.06.24 20:56

「あぁ、リディアの美しさに花の女王たる薔薇たちも霞んでしまうよ」
上機嫌なエドガーはリディアを間近に引き寄せる。
先ほどからこの調子でリディアを口説きまくっている。
だからリディアはせめてもの意思表示として口を硬く結んで精一杯意思表示をしているのだが一向に実を結ぶ気配はなかった。
「ほら、ご覧。まるできみの頬のように淡い薄紅色だと思わないか?」
そういってエドガーは近くに咲き誇る一輪の薔薇をそっと手ですくい、唇を寄せた。
まるで自分の頬にキスをされているような錯覚を覚えてリディアは自分の頬がカァッと熱くなるのを感じた。
「ちょっと、何してるのよ」
思わず口を開いてしまう。
「やっと口をきいてくれたね」
振り返ってにこりと言われてしまえば自分をしゃべらす罠だったのかと余計に怒りがわいてきた。
「勝手に連れてきて何を言ってるのよっ。おまけにそんな、へ・・・変なことまでして」
ほてった顔が悟られないよう祈りながらリディアは今日これまでの憤りを一気にまくし立てた。
何しろ出勤したと思ったらいきなり馬車に乗せられて連れてこられたのだ。
社交界でも噂になっている美しい薔薇の庭園だった。
確かに気品漂う香りに包まれた幾重にも広がった美しい庭園。
だからといって朝何もしないうちから連れ出さなくてもいいものではないか。
まったく、勝手なんだから。
「もう!大体エドガーったらいつも勝手だわ。今日だってまだ一通も手紙に目を通してなかったのに」
「だったら、させてくれる?」
怒っているのにエドガーから発せられた言葉はまったく違うものでリディアは一瞬言葉をなくした。
「はぁ?」
「薔薇へのくちづけがいやならリディアの頬にさせてくれるのかなって」
言われてリディアは咄嗟に自分の頬に手を添える。
恥ずかしさと怒りで自然顔が上気する。
「そそそ、そんなことするわけないでしょっ!大体今私は怒って!!」
切なそうに近づいてくるエドガーに比例するようにリディアは一歩ずつ後退していった。
何をするかわからない。
何せ口説き魔だし。
いつもみたいにからかっているだけ、そう思おうとするのだけれどいつもよりもエドガーの表情が切なそうにしているのを見てリディアはどうしていいのか分からなくなってしまう。
足だけが自然に後ろへ踏み出していく。
「あっ、リディア。危ない!」
エドガーが叫んだけれども一瞬間に合わなかった。
「キャッ」
目の前の事で精一杯で後ろなど気にする余裕のなかったリディアは薔薇の咲き誇る植え込みへよろけそうになった。
間近に迫っていたエドガーが間一髪リディアの手をつかんで自分の方へ引き寄せた。
「大丈夫?」
それは時間にすれば一瞬の事でわれに返ったリディアは直ぐにエドガーから逃れるように一歩はなれた。
「ええ、平気よ」
少しだけ葉っぱがついていたからリディアはドレスの裾を手ではらった。
はらったら手ににぶい痛みを感じてリディアは動きを止めた。
よく見ると指先に少しだけ血が滲んでいた。
どうやら先ほど薔薇のとげに指先がかすってしまったようだった。
「みせて」
目ざとくそれを見つけたエドガーがリディアの許しも得ないうちに手をとり口に寄せた。
優雅で寸分も隙のない仕草だった。
何が起こったのかわからないうちに怪我をしたほうの指先にエドガーの口が吸い付く。
「な、何してるのよっ。平気だってば!!!」
熱い感触が伝わればリディアはみるみるうちに慌てだした。
おまけに思い切り情熱的な瞳をこちらに向けるのだから始末が悪い。
こうなったらもはや傷どころではない。
指先が熱くなっていく。
そっとエドガーが唇を離した。
指先がまるで別の生き物のように感じてしまう。
どうせ、いつもの手口なのに。そう思っても何か特別な女の子になったかのような錯覚を覚えてしまってリディアはたじろいだ。
「思ったより深くなくてよかった。リディアの真珠のような肌に傷が付いたらと思うとぞっとするよ」
あぁ、これじゃあ完全にあいつの思惑通りだわ。
だけど―
今だけは動けそうもなかった。
薔薇の香りのせいかしら。今は何も考えられない。
ただ、じっと。エドガーを調子付かせることは分かっているけれど。
この瞬間、リディアはその場から動くことができなかった。


あとがき★ ★-----------------------------
久し振りに二次です。
テーマは「傷」
エドガーの口説き文句はやっぱり難しいですね。すらすらでてこないです。
時期の頃はうーん・・・。両想い前??みたいな

甘いのを目指して書いてみましたがいかがだったでしょうか

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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

タグ : 伯爵と妖精 二次小説

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