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2008.10.07 22:12

食堂でキャラメル色の髪をした少女を無意識に探してしまってエドガーは落胆した。
そうだ、彼女は故郷に帰ってしまったのだ。
目の前にいるエドガーの悪友の甘言にのって半ば強引に。
「よっ、エドガー」
その元凶がというとあっけらかんと挨拶をしてくるものだからエドガーは思いきり眉間にしわを寄せた。
「なんでまだここにいるんだ、ロタ」
つい口調もとげとげしくなる。
「まぁあらかた片付いたしな。わたしらも今日でお別れだ」
先日再会を果たしたクレモーナ大公のもとへ身を寄せるのだろう、ロタは相変わらずこざっぱりとした服装でニッと笑いかけてくる。
誰のせいでリディアが故郷に帰ったと持っているのか、もうすこし罪悪感のかけらくらいは持ってほしいとエドガーとしたら思わずにはいられない。
「ああやっと君の顔をみないかとおもったらせいせいするよ」
「それはこっちのセリフだ。あーあ、リディアが懐かしいよ、彼女いい子だしな。友達になったんだ」
「リディアのことならいまさら君に言われるまでもなく僕が一番知っているよ」
元凶のロタの口からリディアの名前がでるものだからエドガーの機嫌もとたんに悪くなった。
「そりゃね、今まであんたみないなやつに付き合ってきたんだ」
だがそこで負けていないのがロタでもあった。
「せっかくこの旅行でお互いの距離が縮まったのに君のせいでまたやり直しだ」
「はっ。あんたの行いのせいだろ。いっとくけどそこのことに関しちゃ間違ったことしたつもりはないよ。こないだも言ったけどいい加減な気持ちなんだったら、さっさと彼女を解放してやるんだな。まっ、あんたの気持なんてしょせんその程度だろ。私はもう少し落ち着いたらリディアの故郷にでも足を延ばしてみようかなぁ。手紙でもいいし」
「なんだってロタ、君がリディアの住所を知ってるんだ」
「そりゃぁ、別れ際に教えてもらったからに決まってんだろ」
じゃぁな、と片手を振り上げてロタは踵をかえした。
最後は半ば喧嘩をふっかけていくような挨拶だったがこれも二人にとっては特に珍しくもない。
けれどもエドガーにしてみれば最悪な状況には違いなかった。
そして思う。
リディアのことを。
あのときもっと踏み込んでいれば、強引にでもそばにいれば今も隣にいてくれたのだろうか。
エドガーはふと窓辺に視線をやった。
そういえばこの屋敷についたころ、リディアが窓の外の風景を一生懸命眺めているのを思い出したからだ。
長いこと一緒にいて、隣にいることが当たり前になった少女。
そのリディアがいま傍らにいない。ぽっかりと穴があいてしまった。
「レイヴン」
「はい」
呼べばすぐに応答するエドガーの従者。
「リディアがいないとさびしい?」
「はい」
エドガーの問いに素直な気持ちで返してきた。
「エドガーさまはさみしくはないのですか?」
静かに問いを返してくるレイヴンにエドガーは軽く眼を見開いた。
ぽっかりと空いたもの、それはきっと寂しさというものだった。
「僕も・・・さみしいよ」
ロンドンに帰って社交界に顔をだせばこの思いも薄らぐのだろうか。
またかわりを見つければいいと、そう思うことができるのか。
以前のような暮らしに。
―どうせ本気じゃないくせに―
けれども。頭の端をかすめるのは少しだけ強気な少女の声。
不思議な瞳がエドガーをとらえるその瞬間がとても大切で、彼女の瞳に映っていたいと思った。
「帰ろう、僕たちもロンドンへ」
行動はそれからだってできるはずだ。
そうだ、まず手紙を書こう。
リディアへ宛てた、それは特別な手紙。


あとがき
ひさしぶりな伯爵と妖精二次はエドガー→リディアになりました。
取り換えられたプリンセス直後です
私的にふたりの想いが、想いのかたちが変わっていった巻だなって思ってます
手紙を待ってるリディアが可愛いです



どうでもいいのですが、Bleach
大人の事情で話がふっとんで来週から何事もなかったかのように原作ベースに
ある意味すごいアニメだ
いいのか、これで??と思わずにはいられない死神図鑑でした
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| | | 2008.10.08 17:14 |

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