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2008.10.12 11:33

(あらあら、なんて顔をしているのかしら)
ファティ・リンシャは顔をそむけてこっそりとため息をもらした。
今はそんな悠長なことを考えている時でもないのに、と気を引き締めるのだけれどもつい余計なことが頭の中をもたげてしまう。
ナルレイシアが件の男性と姿を消して随分たつ。
不幸中の幸いの権化との異名も名高い選定者だ。
神の加護のあつい少女だとわかってはいても消息の知れない現在、彼女の身は案じてやまれない。
「どうかしましたか?ファティ・リンシャ」
じっと見つめすぎたのかガスカールが声をかけてきた。
「いいえ、なんでもないわ」
あまり楽観視できることでもないけれどもそれでもファティ・リンシャは余裕な気持でいた。
いざとなれば精霊たちを総動員してでも事態を動かしてみせるとの思いもあったから。
「それより、カール。あなたこそすこしは落ち着きなさい」
「私は十分落ち着いています」
「あらぁ、でもその眉間によっている皺はなに?あまり寄せすぎているとおじいちゃんになってもずぅっとそのままよ」
言われて初めて気がついたのかガスカールは少したじろいでくるりと反転した。
バツが悪そうにコホンと咳払いをして、
「別に寄せてなんかいません」
と反論をしてきたが、その声は幾分抑え気味だった。
「ねぇカール、大丈夫よ。スカルトードが迎えに行っているのだし。彼女は無事よ」
「分かっています。だれがあんな猿娘のことなんか心配しするもんですか」
ファティ・リンシャがナルレイシアの話題を出すと途端に激しい反論が返ってきた。
(つまらないわね・・・・・)
こうもかたくななガスカールをみているとつい本心が心をよぎってしまう。
「私が心配しているのはこれからのことです」
ナルレイシアの話題が彼の琴線に触れたのか、ガスカールは延々と先々の問題について語りだしてしまった。
(ここまでにぶいやら往生際が悪いやら・・・。ほんとにこれじゃあ誰かにかっさわれてしまうわよカール)
ファティ・リンシャはつい真剣にこの恋に鈍感な若者の想いについて真剣に考え込んでしまう。
ここまで焦燥しているのは・・・・と、どうしてその先が続かないのだろう。
意地っ張りと鈍感にもほどがあるというものだ。
と、その時なにやら騒々しい物音が聞こえてきた。
ガスカールの耳にも届いたのか永遠続くかと思われた口上もぴたりと止んだ。
バタンと大きな音をたてて入ってきたのは。
(あらぁ)
ファティ・リンシャは内心目を丸くした。
もちろん現実では一応五体満足とはいかないまでもしっかりとした口調と体調であることが見て取れるナルレイシアの無事の帰還を喜んでいる。
けれどもその登場の仕方というのが・・・・。
ちらりと横目でガスカールを見れば。
一瞬固まっていたように見えなくもない。
いや、先ほどの眉間のしわがさらに深くなったように感じるのはファティ・リンシャの思いすごしではないようだ。
あらぬくらいに密着してあらわれたスカルトードとナルレイシア。
この二人の登場の仕方にファティ・リンシャの養い子がはたして何を感じたのかは今は語る由もなかった。

(あーらら、目は口ほどに物を言うって、あれどこの言葉だったかしら)




あとがき★★
ひさしぶりに天を支える者シリーズです
ガスカールの無自覚片思いは書いてて楽しいです
つか絶対くっつくならこの二人がいい!!
反発しあってる男女は楽しいなぁ

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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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