--.--.-- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | |

2009.03.20 21:25

日もそろそろ沈みかけた黄昏時。
人通りも少ない道を二つの影がぴたりと寄り添っていた。
これから見送りに向かう場所へと続く道。
「あーあ、やっぱり帰っちゃうのかぁ。せっかく仲良くなれたのに」
うさぎは衛の傍らで少しだけ不満そうにこぼした。
今日出発する星野たちを見送るためにこうして二人で出発地であるうさぎたちの通う高校へと向かっている。
「まあ、彼らだって自分たちの星の復興があるからな」
だからそんな顔するな、と衛はやさしくうさぎの顔を見やった。
軽くその頬に手を這わせるとうさぎの瞳がなにか暖かなものに包まれたかのようにやわらかく細めた。
「わかってるよ」
わかってはいるけれど、どうしても物悲しさが来てしまうとばかりにうさぎは空を見上げた。
その向こう側に遠い星を見つめるかのように。
衛は握りしめた手に少しだけ力を加えた。
まるで傍らにつなぎとめるかのように。
衛がうさぎのそばを離れた数か月、うさぎの傍らには彼がいた。
自分の代わりに、そばで守ることができなかった自分の代わりに必死にうさぎを守りはげましてくれた異邦のセーラー戦士。
彼の想いには衛もすぐに気がついたから、自分のいてやれなかった日々のことを考えると内心は穏やかではなかった。
それでも衛は帰ってきた。
うさぎの強い想いと力で。
結局また彼女一人に負担をかけてしまった。
夕暮れの日の光に照らされて、その影がどこまでも長く延びる。
これからはこんな風に穏やかな日々が長く続いてくれればと願う。
「星野たちだってこれから大変だもんね」
ぼそりとつぶやいた言葉の端々からうさぎが星野たちをとても信頼し、良い関係を築いていたのだと認識させられる。
あんまり狭量すぎるのもよくないな。
ただうさぎは分かっているのか、いないのか。
星野の想いは痛いほどわかるのにここまで鈍感なのもどうなのかとライバルを目の前にして少しだけ同情をしてしまう。
「うさこは…」
「なあに?」
いや、これは衛の口から聞くことではない。
今はまだ。
だからその先はつぐんだ。
代わりに別の言葉を口にのせた。
「そろそろだな。ほら校舎が見えてきた」
「ほんとだ。みんなもう着いてるかな」
真っ赤な夕日に照らされた校舎は赤い光を反射してきらきらと光っていた。
待ち合わせは屋上。
ひっそりとしたアイドルとして活躍していた彼らには幾分さびしい旅立ちだった。
校門をそっとくぐりぬけて校舎の入り口へと向かう。
屋上を見上げればすでに到着していたのか、星野が盛大に手を振ってきた。
誰にとはもちろん愚問だ。
隣のうさぎは笑顔で思い切りぶんぶんと振りかえした。
天真爛漫な笑顔。
自分の知らぬ間に交わされたであろうやりとりを考えると内心おだやかではなかった。
衛とうさぎではどんなに願っても許されない、学業での学校という社会での共同生活。
そして自分だけ蚊帳の外だった戦いの日々。
それを思うとどうしても狂おしかった。
最後くらいは格好をつけたっていいだろう。
きっとかわされるであろう星野との会話。
はたして彼は自分にどんな言葉を持ってくるのか。
それを衛はどう受け止めて、またそれを返すのか。
勝負のつけどころかもしれないな。
最初で最後の大勝負といったところか。
きっとお姫さまは気付かないであろう大勝負。
名残惜しくなんてない。
勝負はむしろこれからなのだから。



あとがき
ずいぶん前(実は年末)に書きかけだった短編を掘り起こしてみました
アニメベースで200話の見送りシーン直前の衛さん目線
とかいうなんともマニアックなところを持ってきました
スターズはホント衛さんが蚊帳の外だったので、彼視点のものも書きたいなって思っていたんです
たぶんあの短いやり取りの間には衛と星野にしか通じないいろんな無言のやりとりがあったのではないかと
これで負けたわけじゃないとか、受けて立つよとかそういうのが
男同士の大勝負ですよね
もちろん傍らのお姫様はまったく気付いてません
そんな状況下がおいしいなとかなんとか


スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

| セーラームーン | コメント(1) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント


わかるわかる!!

わかりすぎます!!!


うわぁ…


今回の作品。


すっごい好きです!


まもうさ←星野


っていうのが私一番好きなんですよ。

そんで、そこに…
はるかさんがうさぎちゃんを守る為に出てくる所がたまらなく好きなんです。

な、の、で…正確には

まもうさ←はるかvs星野
が好きです。

一人の子をめぐってひそかに小さな火花散るとかがなにげに好きなんですよ…。

何と言うか

星野にやたらムキになって、うさぎちゃんを離そうとする…はるかさんとか。

それをやれやれって感じで笑って見てるみちるさんも好きです。


あぁ…それにしてもこの未来様の作品でスターズの最終回、思い出しました…。

あの。…この作品の何が大好きって…まもちゃん視点のところがたまらなく萌えです。

やばい。ホントに癒されます。


そう。星野が
『…俺。


お前の事…

忘れないから』


って…「お前の事」って言ってるのにも関わらず!


「うん!


私達。ずっと友達だよ☆」


って華麗な天然返しで、
バッサリ切られちゃう星野。


あそこ…さすがうさぎちゃん。ある意味期待を裏切りません(笑)


微笑ましいシーンの一つですよね。


そして。


私がもう一つ好きなシーンは、


ラスト…


まもちゃんが

うさぎちゃんにどれくらい好きか聞かれて…


「一緒にいて…


…元気になるくらい。」



っていうあの久々のまもうさシーン!!


…まもちゃんは、うさぎちゃんがいないと元気がなくなっちゃうらしいです…。


(はっ?…そういう意味じゃないし)


いやぁ~。

じゃあ…まもちゃんの為にもうさぎちゃんずっと側にいなきゃだね☆


(…こいつ。暴走してんな…)


そして、ラストのキスが…なげー。


やっぱ離れた時間が長かったからですかねぇ~
(*-ー-*)☆


(…もう。…いいや)


いや。でも実際結構長くありませんでした?

まもうさ大好きな私としては、全然良いんですけど♪

エンディングがムーンライト伝説だったのも良かったですし、うさぎちゃんと皆との記念写真も良かった☆


って…また今回も語り過ぎましたι
では…素敵な小説ありがとうございました。失礼します♪

| ちこ | URL | 2009.03.23 01:54 |

コメントを書く

管理人にのみ表示

↑ページトップ

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

↑ページトップ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。