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2009.03.28 18:53

「うわぁ、きれい」
馬車から降ろされて案内されたのは一面ピンクの絨毯だった。
清楚で可憐な花々も集団でこれだけ咲き誇れば圧巻だった。
むせるとはまではいかなくても、鼻孔をくすぐる春の訪れにリディアは息を思いきり吸い込んだ。
「よかった、喜んでくれて。実は僕の秘密の場所なんだ」
「秘密って、ここに連れてくる女の子みんなに言ってるんじゃないの?」
背後にぴたりとくっついたエドガーにリディアはついいじわるな調子で言ってしまう。
「まさか。リディアが初めてだよ」
本当にそうなのかしら。
傍らに立つ伯爵は口説き魔としても有名だったからリディアとしてもすぐには信じられない。
だって、その口で昨日は違う女の子を口説いていそうじゃない。
そんなつまらないことを考えてしまう自分にもなんとなく自己嫌悪。
「ほら、リディアもうすこし向こうへ行ってみよう。見晴らしもいいんだよ」
エドガーがリディアの手をとってさあ、と促した。
なんとなく誤魔化されているのでは、と思わなくもなかったけれど、そこで突き詰めればエドガーに反撃の糸口を与えてしまうようでリディアはそのまま押し黙った。
手袋越しに伝わってくるぬくもりをごく自然なものとして受け止めるようになったのはいつの頃からだろう。
目の前の伯爵はリディアには眩しすぎて少し目を細めた。
日の光を受けた金色の髪の毛はまるで太陽の光を紡いだよう。
存在自体がリディアとは正反対。
本当に私だけがここの場所を知っているの?
あなたの特別は私だけ?
喉の奥から言葉だけが勝手に踊りだしそうになる。
と、考えごとに集中していたのかリディアは足もとの草に足を取られてしまった。
「きゃっ」
「大丈夫、リディア。ああ、ごめんね。もう少しゆっくり歩けばよかったね」
エドガーの腕によろけるような形になってリディアは大きく息を吸った。
「ううん、私の方こそ。ちょっとぼんやりしちゃってて」
「もしかして僕に見とれていてくれた?」
申し訳なさそうにリディアがあやまるとエドガーがからりとした声で混ぜっ返してきた。
「もうっ!な、何言ってるのよ」
「残念。リディアが僕のことを見つめてくれているって思うとぞくぞくするんだけどな」
もう。ちょっと油断するとすぐにいつもの調子になるんだから。
見つめてはいなかったけれど頭の中はエドガーのことでいっぱいだったのでリディアは余計に慌てふためいてそっぽを向いてしまう。
その自信過剰なところはどこからくるんだろう。
私の、気も知らないで。
手をつないだまま歩き続ければやがて丘の上へとたどり着いた。
「うわぁ…」
森と青い空とピンク色の花。
眼下に広がる風景に見とれているとエドガーがぎゅっとリディアの両手を握りしめてきた。
両手がエドガーの胸の高さまで持ち上げられて、リディアはエドガーの方に向き合う格好となった。
「これをみせたかったんだ」
熱いまなざしにリディアの体温もぐっと上がった。
どうしよう、眼が離せられない。魅入られる。
灰紫の瞳の中のリディアは、エドガーの中のリディアはいったいどんな風にうつっているのだろう。
今この一瞬だけはあなたは私だけのあなた。
「ええ、とっても綺麗…。ありがとう、エドガー」



あとがき★★
春なのでお花です
花見大好きです。桜もさくら草も、藤も全部好き
しばらくはお花がテーマな二次が続きそうです
まあ要するに花見ですが
そのわりに第一弾なエドリディはラブがメインなのか花がメインなのかどっちつかずになってしまいました。
たぶんラブです
きっと
つぎはまもうさか天を支える者か。文学少女も書きたいな

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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

タグ : 伯爵と妖精 二次小説

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