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2009.04.08 19:45

はらりはらりと舞う花びら。
それはまるで切ない恋を唄っているような、幾重にも重なった舞い。
暖かくなったこの季節、学校から家まで一直線で結ぶには名残惜しくてうさぎはつい遠回りをしてしまう。
頭上には幾重にも重なった桜のトンネル。
淡い色の絨毯がうさぎを見下ろしている。
いつもは華やぐ季節なのにうさぎの心はまるで灰色の雲が空一面にかかったようだった。
戦士として覚醒したのはつい最近。
それまでダークキングダムとの戦いを忘れ去っていた。
銀水晶が起こした奇跡の力。
けれどもそれも長くは続かなくて、新たな敵の出現の元うさぎたちの記憶も覚醒した。
(あーあ、せっかくの桜。衛さんと一緒に歩きたいなぁ)
自分たちの記憶は元に戻ったのに、肝心の恋する相手地場衛はなにもかもを忘れ去ったままだった。
うさぎだけの片想い。
さすがに負けない、くじけないと全力で体当たりをしているけれどこうも成果があがらないとやっぱり落ち込んでしまう。
「はぁ…」
どうしたら記憶が戻るのだろうか。
うさぎは思いきり息を吐いた。
だって今の衛さんは冷たいしいじわるだ。
「何こんなところで落ち込んでるんだ?さてはまたテストで赤点でもとったか?」
ほら、こんなふうに。
いじわるなことばかり言うのだ。
「えっ!」
耳になじんだ声に慌てて振り向くとそこには今まさに想っていた相手地場衛が立っていた。
いじわるな言葉はどうやらうさぎの空耳ではなかったらしい。
てっきり衛恋しくての幻聴か想像かと思ったのだが眼前にはこちらの想いには全く介さないだろう衛が確認できた。
突然遭遇した好運にうさぎは頬を紅潮させた。
一緒に桜を眺めたいなあ、なんて考えていたばかりだったから喜びも一潮だ。
「おだんご頭がため息なんてテストくらいしかないだろう?」
相手はうさぎのことなんて、よく遭遇するその辺の中学生くらいにしか思っていない。
「そ、そんなことないわよっ。失礼ね」
溜息イコールテストと決めつけられてうさぎの方もついむきになってしまう。
記憶が戻る前はしょっちゅう喧嘩していたくらいだ。
好きという自覚はあっても向こうが挑発してくれば簡単に乗ってしまう。
(って、なにムキになってるの、わたし)
うさぎは我に帰って臨戦態勢を解いた。
「衛さん、偶然。今帰り?」
「あ、ああ。まあな」
突然の変わりように衛は少し警戒しながら返事を返した。
「おだんご頭の方こそ、こんなところで何道草くってんだ?」
「さくらがきれいだったから。ちょっと回り道しようかなぁ、なんて」
うさぎは頭上の桜のトンネルを見渡して目を細めた。
はらりと舞う桜はどこか非現実的でこの空間だけ二人きりのような、そんな錯覚に陥ってしまう。
「ふうん。おだんご頭はどっちかというとあっちのほうじゃないのか」
衛はついと目線をうさぎの向こう側に向けた。
うさぎも衛にならってくるりと頭をまわして確認した。
そこには「さくら餅」の文字が。
「衛さんひどーい!」
うさぎは声を荒げて抗議した。
「そりゃあ、さくら餅は大好きだけど。私だって年がら年中食べ物のことばかり考えてるわけじゃないのよっ」
うさぎは思いきり唇を尖らせた。
衛からみてうさぎがどう思われているか端的に示すかのような言葉にさすがにうさぎも憤然としてしまう。
「そうか?俺はてっきりあっちのほうが目当てなのかと思ったけど」
追撃してくる衛をうさぎはキッと睨みつけた。
「ひどーいっ」
手を振りまわして抗議をする。
けれども。
ぐぅぅーー…
突然割って入った音にうさぎも衛もぴたりと静止した。
一拍後、衛は背中を折って噴き出した。
「い、今のこれは違う!ナシ、ナシだってばぁ…」
うさぎにだって確認できた程のそれはもちろん衛の耳にだってしっかりと伝わったのだ。
一応遠慮しているのか衛は口に手を当てているが、笑いをかみ殺しているのがうさぎの目にも書くんできる。
違うと否定しつつ結局おやつの言葉に反応してしまったのはうさぎのお腹だったからうさぎもこれ以上否定することはできなかった。
(ああああもう!私の馬鹿馬鹿ーーっ)
心中で盛大に罵ってみてもつい数分前の失態が帳消しになるわけでもない。
笑いの波が収まったのか衛はまだ口元がにやけていたけれどふいにうさぎの方に腕をのばしてきた。
「えっ…」
思う暇もなく頭上に腕をのばされて、そっとつまみ上げたのは薄く染まったピンクの花弁。
「そんな盛大に聞かされちゃ、しょうがないからな」
「ちょっと!これはっ・・・だから!」
「今日だけ特別におごってやるよ。おれもちょうど腹減ったしな」
口の端を持ち上げながら衛は踵を返して一人すたすたと歩いて行ってしまう。
うさぎは少しだけ触れられた頭に自分の手を重ねながらそれを呆然と見送った。
一瞬だけだったのにまだ触れられた部分が温かい。
不意打ちに硬直してしまってすぐには反応が返せなかった。
けれど我に返れば、これだって立派なデートと呼ぶのではないだろうか。
うさぎは気分を切り替えて衛のそばに駆け寄った。
「じゃあお言葉に甘えて、遠慮しないから」
傍らに寄り添って不敵に見つめあげた。
「いや、遠慮って言葉はちゃんと入れといてくれ」



あとがき★
花より団子なお話になってしまいましたがR初期設定で書いてみました
ラブコメ??な雰囲気が出せてたらうれしいです
ちなみに私も花より団子です
花も好きだけどスィーツも大好き
春はいちごですよね
春ネタは書いてて楽しいです
次はどのカップリングで書こうかな
ほのぼの親子ネタでも楽しいかも
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

| セーラームーン | コメント(1) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント


…最高。うまく言えないんですけど、その…超感動しました。

私こういうキュンとするお話し大好きなんです。

記憶を忘れているまもちゃん…でも、『どっちかというと…』って今回はうさぎちゃんの気持ちとは程遠いものでしたが

当然のようにうさぎちゃんのことを色々分かってしまう…

(本人自覚なしっていうのが憎い(笑))

まもちゃんが無印初期と超リンクしていて萌えました(笑)
…って未来様の今作は、Rですけども(^^;)

まもちゃんって…割りと自分からうさぎちゃんに絡みにいってることに気付かないですよね…。

確かに、テストや靴がまもちゃんに直撃して絡むってパターンもありますが…

元基お兄さんにべったりなうさぎちゃんに突っ掛かりいったり…

ぶっちゃけ大学生っていうよりそこら辺うさぎちゃんと変わらない中学生レベルですよね…

好きな子程いじめたくなるみたいな。

正直大学生は大学生同士でそういうことあるのは、百歩譲ってあるとしても…

うさぎちゃん中学生ですよ?ホントに好きじゃなきゃそんな恥ずかしいこと出来ないですよね…
(--;)

あ、まぁ。原作は高校生設定だからギリ有り得るかもですけど…

だからあそこまで自分に気付かないまもちゃんにもはや尊敬すら覚えそうです。

まもちゃんは、状況や展開上致し方なくではありますが…

うさぎちゃんを泣かせるのしょっちゅうなんで未来様の作品で仲良しな二人見るとほっこりして癒されます。

これからも、未来様の作品の一ファンとしてまた遊びに来ます☆

ではでは、長々失礼しましたm(__)m

| ちこ | URL | 2009.04.10 16:29 |

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