--.--.-- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | |

2009.06.01 19:49

ああまただわ…
宮殿の大広間への道すがら。
リディアは視界の端にこちらを見つめるなり走り去った令嬢を確認した。
こっそりと隣の婚約者を見やれば、自身に満ち溢れ泰然と構えた貴族の青年としての横顔があった。
エドガーの婚約者として恥じない、自分にできることを精一杯努めようと誓ったばかりだったのに。
どうしてこう不安にさせられるような光景ばかりに目が行ってしまうんだろう。
恐れ多くも女王陛下へ拝謁をうけたまわるというのに数えただけで数人だ、そんな令嬢の姿が視界に飛び込んでくるのは。
緊張感だってどこかに飛んで行ってしまって、今あるのはほぼ呆れ。
この場で問いただしてやろうかしら。
いったいこの中に何人の女性を口説き落としたのか。
けど絶対横に並んだこの男はリディアのその問いをはぐらかすに決まっているのだ。
極上の笑みを顔に浮かべて。
しれっと、何事もなかったかのように。
そんな光景まで浮かんでしまうのは果たしていいことなのか、悪いことなのか。
目まぐるしく動かす頭の中身を読んだのか、添えられた手を握る力が強まった。
そっと窺うとエドガーの視線とかちあった。
灰紫の吸い込まれそうな瞳はけれど自信に満ち溢れていて。
リディアたちの目の前には大きな扉が構えていた。
ああ、ついに来てしまった。
一度お目にかかった相手と分かっているけれど、あの時と今では状況がまるで違いすぎてリディアはすくみあがってしまった。
ここをくぐれば、また一歩伯爵夫人への道が近づく。
覚悟はもう決めたはずなのに。
ずっとこの人と一緒にいる。
何があっても、一緒にいたい、力になりたい。
だからこの緊張だって、大丈夫。
「大丈夫。僕にまかせて」
リディアの心の中を読んだかのようにそっと囁く声が頭上から聞こえてきた。
リディアにしか伝わらないような本当に小さな空気のような吐息に近い声。
大丈夫、その言葉でふっとリディアの心が羽のように軽くなった。
この人となら大丈夫。
小さなことで動揺なんてしないから。
ここから二人で歩みだしていける、そう信じてる。
一度瞼を閉じて深く息を吸い込んだ。
瞳を開けば、そこは新たな一歩。



あとがき★★★
リディア視点で女王陛下への拝謁直前を書いてみました
お話からするとかなり前ですね
だって結婚式も新婚旅行もいっちゃった後だもん
そう考えるとこの二人の歩んできた道のりって長いな

エドガーの過去の女性について知りたかったらレイヴンに聞くといいと思います
もれなくアルファベット順に教えてくれますから

新婚早々離婚の危機になってしまいますね

スポンサーサイト

タグ : 伯爵と妖精 二次小説

| 伯爵と妖精 | コメント(0) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント

コメントを書く

管理人にのみ表示

↑ページトップ

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

↑ページトップ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。