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2007.09.29 00:09

外まで心臓の音が聞こえるかもしれない。
待ち合わせの場所に向かいながらうさぎは高まる気持ちを完全に持て余していた。
以前だって学校帰りに会ったり、休日押しかけたりしていたのに何故今日に限ってこうなんだろう。
静まれ、心臓~~
そう念じてみてもまったく効果は無い。むしろ余計に鼓動が早まったように感じるのは気のせいだろうか。







今までは片思い、現在は両思い。
そんな状況の違いに心が戸惑うのも無理も無い話だがうさぎはその心の差をうまく整理できないでいた。

思えば衛の記憶が戻って全て思い出して今日が初めての待ち合わせ。
夢にまで見た大好きな人とのデートな筈なのにうさぎは緊張してそれどころではなかった。
昨日だって、いや3日くらい前から何着てこうとか当日どうしようとか色々考えてしまって上の空だった。
それでもきのうは目が冴えて眠れなかった。
ベッドに入ったはいいが寝るに寝付けなくってごろごろ無駄に寝返りをうっていた。
まるで遠足か修学旅行の前日余計に考えてしまって眠れない小さな子どもみたいに。


待ち合わせの公園には衛が既に待っていた。
時計柱に少し寄りかかった横顔が思いのほか凛々しくて思わず足を止めてしまう。
少し見惚れていると向こうのほうがうさぎに気付いて近寄ってきた。
「ごめんね、待った?」
上目遣いに、少し気恥ずかしくってうさぎはまっすぐに顔が見られない。
「いや、今来たところだから」
今までとは違って近しい人に出す柔らかい声。
「で?どうするんだ。今日は」
「えっと・・・・ね。公園歩いて、街中歩いてカフェ入ってお茶して・・・・」
「そんなことでいいのか?もっと何処かへ行きたいとか」
てっきり何処かへ遊びに行きたいと言い出すものだと思っていたらかえってきた答えは普通だったので衛は拍子抜けしてしまった。
「ううん、いいの・・・・」
思わず見上げた目線が絡み合い、咄嗟にうさぎは目線をそらしてしまう。
不自然な仕草、うさぎの顔は真っ赤に染まっていた。


何時もと違う。
衛は向かい側に座るうさぎを観察しながらそう感じた。
有り余る元気が今日は影を潜めている。何か話し掛けても一言二言しか帰ってこない。
どうしたのだろうか、訝しがってじっとうさぎを見つめていると視線が絡み合った。
「えっと、ここのケーキねとっても美味しいって学校でも評判なんだよ。」
居たたまれなくなったのかカラ元気なうさぎの声が響く。
やはりその声は無理に作り出したかのように聞こえるのは気のせいだろうか・・・


「今日はどうしたんだ?何時もと様子が違うっていうか・・・?もしかして昨日食べ過ぎてお腹でも壊したとか」
緊張のあまり味も分からないようなケーキを押し込んで、十番街を歩いていると突然衛が口を開いた。
二人の影が少し長くなって路地にうかんでいる。
「な・・・、なんで様子が違うイコール食べすぎなのよ!」
「違うのか?なんだか会ったときから元気が無いっていうか、何話しても上の空だし。無理してるなら帰っていいんだぞ」
うさぎは立ち止まって俯く。
元気が無いのが何故に食べすぎに直結するのだろう。心配されたよりもそっちの思考回路にショックを受けた。
「何が帰っていいよ、よ!食べすぎとか・・・・そういうことしか浮かばないんだ。私の気持ちとかじゃなくって」
自分でも無茶を言っていることくらいわかっているが一度出したら引っ込みがつかない。うさぎは自分の口が自分から離れていくような感覚を味わった。
「気持ちって・・・・、具合悪いんじゃないならなんだっていうんだよ。」
「もういいよ!一人でドキドキして、緊張してバカみたい!!」
元々の出会いが喧嘩の二人だったから一度始まるとうさぎも止まらなかった。
違う、こんなこと言いたいんじゃなくって、いや確かに分かって欲しかったけどもうちょっと違う言い方ができたはず・・・
そんな風に頭の中に思考がぐるぐる回っていると本当に分けがわからなくなってしまい、高まった感情と共に気付いたときにはうさぎははしりだしていた。

「緊張って・・・・・」
一瞬うさぎの瞳が曇ったように感じたが、瞬きの間にうさぎは衛の元から走り去っていた。
「って、今さらだろう」
今まで散々話して、喧嘩して、くっついてきてこの期に及んで緊張とは、それは衛だって思いつかなかった。
しかし、このままにしておける筈もなく―


「あーあぁ。なぁにやってるんだろう私ってば。」
走り出したはいいが坂の多い街なだけあって息があがるのも早い。
ずっと走っている体力があるはずもなくうさぎは住宅街を宛てもなく歩いていた。
走って、疲れて走り際に少し覗かせた涙も引っ込んでしまった。我ながら現金なヤツだと改めて思わずにはいられない。
別れたはいいがこのあとどうしよう
家に帰るには構わないが後味が悪い。家に帰ったらきっとルナに今日の事を聞かれるだろう。
ウソが苦手だからきっと喧嘩したことがばれてしまう。
「はぁ・・・・・・・・。」
影が長くなったといえどもまだ完全な日暮れには時間はある。
もう少し気分を落ち着かせてから家路に着いたっていいだろう、そう考えて角を曲がろうとしたらふいに腕をつかまれた。

「見つけた、お姫さま」
それはよく耳に馴染んだ優しい柔らかい声。
「う、嘘。どうして??」
当てもなく適当に走って自分でもよく分からないのにどうして目の前にいる彼はうさぎを見つける事ができたのだろうか。
衛は上がった息を少し整えると口元を少しだけ上にあげて問いに応えた。
「愛の力」
有無を言わさない口調と自信のある表情でいわれてしまうとうさぎも思わず納得してしまった。
確かにうさぎが走り去った方向とそのあとは感を頼りに走ってきたのだからそれはもう愛の力としかいいようがないだろう。
というかうさぎが納得してくれたのならそれでいい。
「緊張してたんだな・・・。気付かなくてごめん」
ぽんと衛の手がうさぎの頭にのっかる。
その手が暖かくってやさしくって、うさぎは堰を切ったようにしゃべりだす。
「ホントだよ。だって、何回も会ってるのに記憶戻って約束なんて初めてだったから、何日も前から何着てこうとか何処行こうとか考え出したら止まらないし。それに、それに昨日なんか今日のこと考えるだけで眠れなかったし。今日だって約束の場所で衛さん見つけたらもうどうしようなくて・・」
そんな一生懸命なうさぎを見つめていると、なんともいえない感情が湧きあがってくる。
だから、衛は自分の気持ちに従って目の前の女の子を腕の中に収めるように抱きしめる。

一瞬何が起こったのか分からなかった。
気持ちのままに言葉を紡いでいたら視界が急に暗くなった。
状況把握に数秒。
現状大好きな人の胸の中という事実を受け入れたらますます鼓動が早まった。
「ありがとう」
気持ちのままに衛が言葉を紡ぐ。

その気持ちに応えるかのようにうさぎはおそるおそる背中に腕を回した。


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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

| セーラームーン | コメント(1) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント

こんにちは!えと、どこでお知らせしたら良いのやらで、コメントで失礼します。
実はブログを閉鎖しました。(ご存知でしたら、ご報告遅くなりすみません)

そして、新しいブログを始めたのでお知らせです。

「恋するプロフィール♪」
http://blogri.jp/roseusa/


名前も事情があり、ゆさうに変えました(ややこしくてすみません)

内容としては前のブログと同じです。私の日常生活の話はなしで、セラムンのお
話と語りだけのセラムンブログです。
お話は前のブログから移動させてあります。

お手数ですが、リンクの張替えをお願い致します。
そして、お手すきでしたら未来さんも遊びにきてやってくださいませ。


この小説、気に入りました!!!アニメの二人が好きな私にとっては嬉しいです。まもちゃんって、乙女心に鈍感ですよね。。
そして緊張するうさこが可愛いです~vこうやって二人は絆を深めていったんだと、私も思います。

ではでは。

| うさゆ | URL | 2007.09.30 18:11 |

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